多肉植物を買ってはみたものの、育て方がわからない、駄目にしないか不安、という人のために、基本的な育て方をまとめてみました。
最近は多肉植物がブームになっていますが、正しい情報が書いているサイトがあったりなかったり、情報に惑わされている人も多くいると思います。
この記事は、多肉植物の育て方の中でもごくごく基本的なことを書いていきたいと思います。もっと詳しく知りたい人、種類別の育て方が知りたい人には少し物足りないものかもしれませんので、よければ別記事を見てみてください。
多肉植物を上手に育てるために必要な3要素
多肉植物には無くてはならない必須3要素があります。
多肉植物の取扱をよくわかっていない花屋さんやホームセンター、100均、雑貨屋さんなどでは、それが守られていないために可哀想なことになっている多肉さんをよく見かけます。
まずは3要素をしっかり説明していきます。
多肉植物が生きるのに絶対必要な「直射日光」
多肉植物は直射日光が大好きです。日光がない状態で長期間(種類によっては1~数週間)直射日光があたってない状態が続くと、徒長(とちょう)という変に間延びしたよろしくない姿になります。
室内の、明るい場所だけど直射日光が当たらない場所で育てた多肉が徒長した姿がこちらになります(左の写真)。多肉植物をよく知らない人は、この徒長している状態を成長して伸びていると勘違いしている方がいますが、これは成長ではありません。
日光が欲しくて少しでも明るい方へ伸びた結果がこの「徒長(とちょう)」という状態です。徒長して間延びした多肉植物は、日光を当てても伸びた茎が縮むことはありませんが、仕立て直すことはできます。ただし気の長くなる話(数ヶ月単位)なので、初心者の方は、このように徒長していない多肉植物を買いましょう。
多肉植物は直射日光が大好き、そう書いておきながら真逆のことをこれから言います。
多肉植物は日焼けするんです。
「えっ、直射日光に当てればいいんじゃないの?」と思いますよね。
基本的にはそうなんです。ですが、ずっと陽にあたってなかった多肉植物を、いきなり直射日光に晒すと日焼けします。タニラー(多肉植物の愛好家たちの通称)の間では、多肉を日焼けさせてしまうことを「焦がす」とか「焼ける」とか言います。特に冬から春になって、家の中に入れていた多肉植物を家の外に出す時などは、よく焦がしがちになります。また最近の異常な猛暑によるジリジリ太陽が長時間多肉に当たると、育てている多肉がほぼ全滅状態になったりすこともあります。
買ってきた多肉植物が今までどのような管理になっていたかによって、陽に強いか弱いかが変わってきます。専門店以外から買った多肉は管理がよくない暗い場所にあることが多いので(蛍光灯ではだめです)、まずは少しでも早く日光に慣らしていくのが重要です。
焼けそうだなと心配な時は、くもりの日から外に出したりするといいですね。
家の中で育てる場合は、一番日光が当たる時間が長い場所を探してください。
焦げを防ぐために、下のような遮光ネットを棚などにかけている人もいます。
多肉植物をダメにしてしまう理由No.1「水」
多肉植物は多肉と呼ばれる通り、ぷくぷくした葉っぱが特徴ですね。そのぷくぷくの中には水分が含まれています。基本的には乾燥した場所で育っている種が多いので、他の観葉植物に比べてあまり水分が必要ない種類が多いです。しかし、一部にはすごく水分が好きな種類もあります。
つまり、水分が必要かどうかは種類によります。
水分が好きな種類の多肉の代表は「セダム」という種類です。
セダムは水が大好きなので、お庭に植えてるセダムなら毎日水を上げても大丈夫です。面倒なら雨水にさらしているだけでも割と十分育ちます、日照りが続いて、しなしなしてきたらお水をたっぷり上げてください。
そして、水やりが必要かどうかは育てている環境にもよります。
多肉植物の本や育て方のサイトには「○○種の多肉は週に○回or○週に1回水を上げましょう」とか書いてますが、それは大きな間違いです。
植えている鉢の種類、土の種類、根っこの張り具合(水をどれだけ吸収できるか)、風通し、気温、などによって水をあげる頻度は変わってきます。
多肉植物を買ってきた当初は、可愛くて可愛くてかまってあげたくて仕方ないので「いつお水あげようかな?もう1週間経ったからそろそろあげてもいいかな?」と過保護になりがちですが、多肉がぷくぷく張りがあるうちはお水が十分に行き渡っているのであげなくて大丈夫です。
お水を上げるタイミングの基本は多肉と相談する(だんだんわかるようになります)のが一番なのですが、初心者さんにはそれがわからないと思うので目安をあえて言うなら、下記の方法が失敗しにくいと思います。土については次の章で詳しく書いていきます。
前回あげた水が完全に鉢の中から抜けきっている状態で、葉っぱの張りがすこしなくなってきたら(下の葉っぱからしわしわしてきます)、十分にお水をあげる。お皿にたまった水は必ず捨てる
鉢底から滴らない程度の水を少量あげる。土が完全に乾いた頃合いを見て水やりをする。
多肉植物がダメになる原因の9割はお水のやりすぎによる根腐れが原因だと、とある多肉専門店の方が言ってました。根腐れを起こすと、多肉がキレイな半透明のグミのようになって(タニラー用語でジュレる)、ある日突然バラバラになります(左写真)。ジュレてしまった多肉はほぼ救出不可能な場合がほとんどで、さよならすることになります。
多肉がお水を欲しているタイミングがだんだんわかってくるようになると、ダメになることが少なくなってきます。
お水を上げすぎることによる弊害は以下のとおりです。
・水分過多による徒長
・土に苔が生える
・多肉植物の色づきの悪さ(緑色になること)
育てやすさに違いが出てくる「土と風通し」
最初にどうしても伝えたいことがありますので、注意喚起させてください。
土なのに何故か水を弾くので、水が上に貯まり多肉が浮いてきます。
これは水とも深く関係しますが、多肉植物を育てる上で土の種類と風通しの良さはかなり重要です。
基本的に多肉植物を植えるための土は、基本的に観葉植物用の土ではありません(ただし水を好むセダムは、個人的には観葉植物の土、庭土でいいと思います)。
愛好家の中では自分で配合を考えて、独自のブレンド土を使って育てている人もいますし、もともとブレンドされた多肉植物専用の土を使っている人もいます。
どのような土にするのが良いかは、多肉植物をどのように育てたいかによっても変わってきます。どのように育てる?というのは簡単に以下にまとめてみました。
大きくしない 増やさない 可愛い状態をキープする
土の種類:とにかく水はけの良い土
子株を大きくする 子吹かせて数を増やす 巨大化させる 花芽を上げさせて種を取る
土の種類:栄養の入った土
可愛いままで、少しは成長させて大きくさせる・子吹かせる
土の種類:水はけの良い土と栄養の入った土のブレンド
多肉植物にとって良くない状況とは
強い直射日光をあびて葉の温度が急激に上がる
→日焼けします(焦げる)
太陽が当たらず(日光不足)
風通しが悪い場所にいる(土が乾かない)
→間延びします(徒長)
日当たりがよく(濡れた土の温度が上がる)
風通しが悪い場所にいる(温度が下がらない上に土も乾かない)
→根が腐ります(ジュレる)

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